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Δt (デルタ ティー) −そこから先を視る−

心の中に広がる風景は、果てしなくどこまでも続く。それは遠く見渡せる風景を見て育ったからか、それとも果てしない風景に憧れているからだろうか。果てしない風景に惹かれるのは、永遠はないと思いながらも、永遠を信じたいからだと思う。宇宙、地球、自然のタイムスケールは人間のタイムスケールと比べると壮大でまるで永遠のように感じ、それに対して人の刻む時間は短い。しかしだからこそ個として存在は大きいのではないかと思う。果てしなく広がる世界の存在を感じながら世界の一部として確かに生きて行く。

 

いつもの場所に行き、見慣れた風景と向き合う。

季節や時間帯、天候によって風景は変わるが、風景を見る側である観察者も日々変化している。あたり前に見ていた風景がある日、意味のあるものに見えたりするのは、風景を照らす光が綺麗だったかもしれないし、見る側の心の中の風景と重なったからかもしれない。風景は見る人の内面を映し出す。風景と向かい合っているつもりが、いつの間にか自分自身との対話になっている。

 

風景と向き合っているときは何者でもなく、ただの1人の人間で、その風景の中の1つの生命になる。この世界に生きる一つの存在として、何に向かってどう生きるのか。その答えが地平線の向こうに続いているようで、いつもの場所から遠くを視る。

 

 

撮影地:北海道枝幸郡浜頓別町ベニヤ原生花園

 

仕様機材:

カメラ Canon 5DMKII

レンズ 28mm (Canon), 50mm (SIGMA)

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